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『タンズ アンタイド』上映会&トークと関連書籍情報

テキスト:家入祐輔



2022年11月13日、立教大学ジェンダーフォーラム主催で映画『タンズ アンタイド』上映会とトークセッションが行われ、コレクティヴ・メンバーから大重祐紀・西山敦子・福島淳の3名が登壇いたしました(3名は、秋田祥さんと根村深さんに並び、こちらの映画の日本語字幕制作+解説冊子制作チームのメンバーです)。 メンバーからは、『タンズ アンタイド』の制作者に関する詳細や時代背景、オードリ・ロードやコンバヒーリバー・コレクティヴとの関係性などの紹介が行われ、本年の『立教大学ジェンダーフォーラム紀要』でもテクストとして報告をまとめたものが掲載される予定です。すでにジェンダーフォーラムのウェブサイトでも、事務局の方による本イベントの開催レポートが公開されていますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。







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ちなみに、昨年12月に刊行された待望の翻訳書、イヴ・コソフスキー・セジウィック『タッチング・フィーリング』(岸まどか訳、小鳥遊書房)では、「幕間劇、教育的な」と題された章において、『タンズ アンタイド』が公共の放送局で放映中止・拒否されたことや、それに抗するデモが公衆放送で流れた意味についてが考察されています。どの映画が、どこで上映され(得)るのか/されないのかを問うことは、この映画をより身近なものとして、自分自身の生活において考えるための回路の一つであるように思いました。『タンズ アンタイド』制作直後の時代の雰囲気、風景を知るうえでも非常に興味深く、こちらの新刊も関連書籍としておすすめです。


『タッチング・フィーリング』は、原著が2003年に刊行されたものですが、日本ではあまり紹介が進んでいない研究者・アクティヴィストについての情報も満載です。例えば本コレクティヴは「さまざまな政治的感情を考察する」団体ですが、フェミニズムの視点から感情/情動の政治・社会的側面について研究を進めているAnn Cvetkovichも本書のなかに登場します。Cvetkovichは人種的・性的マイノリティによる(が出る)映画や音楽、アクティヴィズム等がクィアな「感情のアーカイブ」となることなどを論じ、An Archive of Feelings(2003)、Depression(2012)など情動理論にとって重要な著作を残しています。日本でも、CvetkovichをめぐるイベントがPFCとはまた別に行われたこともあり、今後もPFCの活動の中で注目したいと思っている研究者の一人です。







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